2015年04月12日

オクウスギとシロバナタンポポ

 オクウスギタンポポが続々と開花しました。最初の株は黄色が薄くて、わずかに黄色っぽい白でキビシロと同じ程度だったのですが、今回のものは黄色に見えます。
usugi150412064.jpg

手前右から2番目はシロバナタンポポです。

usugi150411012.jpg

普通のタンポポほど濃くはありませんが、黄色がはっきりとわかります。文字通り薄黄(うすぎ)です。

黄色の濃さは、
外来種タンポポ>カンサイ>ヤマザト>キバナシロ>ウスギ>キビシロ>シロバナという感じです。


posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2015年04月08日

オクウスギタンポポ開花

 オクウスギタンポポTaraxacum denudatum)が開花しました。
 北日本(宮城、福島)を中心に自生する淡黄色花弁をもつタンポポです。東北の方から譲っていただいた種を一昨年(2013年)春に蒔いたのですが、なかなか開花せず2年目の春にようやく花を咲かせてくれました。
usugi15040700032.jpg
usugi1204070031.jpg
花弁は白色で、わずかに薄黄色を帯びています。
usugi1504070030.jpg

オクウスギタンポポ(Taraxacum denudatum)
頭花は直径4cm。、小花数100--150。総苞は緑色、花時に18-20mm。総苞外片は密着し総苞の1/2から2/3の長さ。辺縁は透明で密毛あり。小角突起は長さ0.5mm。総苞外片は卵形で長さ7-12 mm、幅2.5-4 mm。
 花弁は白色または淡黄色、長さ11-16mm、幅2-2.5mm
(日本植物誌DBFlora of Japanより一部引用。ブログ主の英語力の貧弱さにより誤訳もあり得ます)。

usugi_pollen1504090044.jpg

花粉の大きさは均一でなくバラバラです。これは倍数体タンポポの特徴で、オクウスギタンポポは5倍体(2n=40)です。

森田龍義先生の研究によると、オクウスギタンポポは4倍体のキビシロタンポポと2倍体のシナノタンポポが交雑したものだと推定されています。


posted by しまねこ at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | オクウスギタンポポ

2015年03月29日

湖北調査

宍道湖北岸の湖北地域を調査
千鳥町、市役所付近でシロバナ。
薦津 シロバナ
西生馬 松江高専の裏 シロバナ セイヨウ
古志 県道沿いを南下、シロバナ ヤマザト
古江小学校 シロバナ
古曽志 シロバナ
荘成町 成相寺 ヤマザト
posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2015年03月28日

川原→新庄

 島根半島東側の南麓を中海方面へ進む。
川原町
川原神社付近でシロバナ、少し黄色味がかった群落
セイヨウ
熊井の滝
シロバナ、セイヨウ
新庄
シロバナ

帰路の大海崎でシロバナを見つけたが、時間がなく採集は後日
posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2015年03月27日

大橋川北岸調査

 一昨日に続いて、今日は松江市東方、大橋川北岸を調査。

朝酌
朝酌公民館付近。シロバナ、セイヨウ
asakumiI1503270057.jpg
福富
シロバナ、セイヨウ(花粉なし)
fukutomi03270064.jpg
posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2015年03月25日

島根半島南部調査2015

タンポポ調査西日本2015の調査に取り掛からなくては、と思いつつ、なかなか動き出せませんでした。本日調査に着手。手始めに松江市の北側、島根半島の南側を調査。

下東川津。
島根大学の東方面、シロバナタンポポ、セイヨウタンポポ
1203250017.jpg

さらに東へ進み、堤のそばでキバナシロタンポポの群落発見。以前に松江東高校の先生から聞いた群落か
kibana1403250023.jpg
kibana1503250022.jpg

嵩山山麓
シロバナ、セイヨウ

鹿島町名分
シロバナ、セイヨウ

鹿島町北講武
セイヨウ

posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2015年02月22日

キビシロ蕾

オクウスギタンポポに続いて、鉢植えのキビシロタンポポにも蕾がきていました

150221kibi2679.jpg

3月14日、蕾がだいぶ大きくなり、花茎が少し伸びてきました。kibi150314003.jpg
すぐ横には次の蕾も見えます。

3/21に開花しました

kibi153021011.jpg
posted by しまねこ at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 実験・観察ノート

2015年02月17日

オクウスギタンポポの蕾

 自宅で育てているオクウスギタンポポ(福島産)(Taraxacum denudatum)の鉢に蕾が出来ていました。
okuusugi150215006.jpg

 オクウスギタンポポは東北地方原産のタンポポですが、種を分けていただいたものを2年前(2013)の6月庭の鉢に直播きしたところ、発芽しました。昨年の春には花を咲かせることがなかったのですが、今年こそは開花してくれそうです。
okuusugi150215004.jpg

 開花するのは一ヶ月後、3月中旬くらいでしょうか。

posted by しまねこ at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 実験・観察ノート

2014年12月28日

師走のシロバナタンポポ

 今朝は霜が降りて真っ白になる程寒い朝でした。
 こんな寒さの中で開花しているシロバナタンポポを見つけました。
kokutyo101228071.jpg
(2014/12/28 松江市大草町 出雲国庁跡付近)
kokutyo141228069.jpg

 日当たりの良い農道脇です。付近にもたくさん開花していました。






posted by しまねこ at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2014年11月11日

キビシロタンポポの秋咲き

 小春日和に誘われて安来市伯太町へタンポポ調査へ出かけ、
日次集落の自生地で開花しているキビシロタンポポを見つけることができました。
hinami1401111006.jpg
hinami1401111008.jpg
posted by しまねこ at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2014年06月22日

オダサムタンポポはエゾタンポポ

「オダサムタンポポの研究史」北方山草 18 (2001)において、松井 洋氏は羊蹄山のオダサムタンポポエゾタンポポ(T.venusum)であると発表している。

オダサムタンポポは、小田切辰太郎が樺太島豊栄郡栄浜村小田寒で採集 (1926年 8 月 8日)した植物に小泉源ーが 1933年に標本ラベルに書いた名前に従って北村が T.otagirianum Koidz.ex Kitam.と発表した種である。種形用語は採集者 Otagiri Shintaro への献名で、和名は採集地名をとった小田寒蒲公英の意である。
(上記文献より引用)

オダサムタンポポはキク科のタンポポ属(Taraxacum Weber ex F.H.Wigg.) で 国内では羊蹄山 (1898m) と檎山支庁の大平山(1191m)にのみ自生している
(伊藤浩司・梅津俊. 1981.北海道の高山植物と山草. p.16. 誠文堂新光社)

 森田の研究によると羊蹄山から得られた標本は倍数体であった。大平山の標本は2倍体であり、総苞の形も羊蹄山産のものは異なり、葉形以外はむしろユウバリタンポポに近い。
(森田竜義. 1976. 日本産タンポポ属の2倍体と倍数体の分布.国立科学博物館研究報色B類(植物学) 2(1):23-38.)

 松井氏は北海道大学などに所蔵する羊蹄山産と大平山産の標本を比較検討した結果、羊蹄山のタンポポは総苞片の毛は少なく、辺縁部にも毛はわずかであるが、エゾタンポポに近い。従って、羊蹄山産のタンポポはオダサムタンポポではなくエゾタンポポである。と結論付けている。
posted by しまねこ at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究ノート

2014年06月15日

ワタゲツルハナグルマ

 タンポポ調査メーリングリストで、ワタゲツルハナグルマArctotheca prostrata)というタンポポに似た花の話題が出ました。

 南アフリカを原産地とする。北アメリカ、オーストラリア、日本(三重県・兵庫県)に帰化している(日本帰化植物図鑑)とのことですが、ネットの情報からするとさらに広範囲に帰化している様子です。松江市近郊でも咲いている場所があるらしいので、調査に出かけました。

hanaguruma0004.jpg
 山村のちょっとした公園の植え込みに群落がありました。
(2014/6/15:雲南市大東町)

hanaguruma140615008.jpg
よく観察すると舌状花は外側だけで中央部は筒状花になっています、小ぶりなガーベラという感じです。でもタンポポの開花1日目のものは外側の舌状花1列だけが開いているので、そっくりに見えます。
続きを読む
posted by しまねこ at 17:51| Comment(7) | TrackBack(0) | タンポポに似た花たち

2014年05月26日

刺身にのせるタンポポ

 「刺身の上にタンポポをのせる仕事」というのが本当にあるのかは知りませんが、寿司や刺身に載っているあの黄色い花は確かにタンポポによく似ています。

sasimi.jpg
もちろんタンポポではなく、食用菊の一種です。
単なる飾りではなく、殺菌効果もあるのだそうです。
豊橋温室園芸農業協同組合菊花部会
sasimi2.jpg

食用菊の裏側、総苞の形などタンポポとはちょっと違います

タグ:食用菊
posted by しまねこ at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | タンポポに似た花たち

2014年05月18日

赤屋のトウカイタンポポまとめ

 安来市伯太町の旧小竹(おだけ)小学校で見つけたトウカイタンポポについてまとめます。

 トウカイタンポポ(Taraxcum platycarpum var.longeappendiculatum)は静岡県を中心とした東海地方に分布するタンポポで、総苞外片が長く、先端の明瞭な角状突起が特徴です。
odake14050908.jpg

総苞長は花時 7--20 mm。頭花は直径3.5--4 cmで小花数90--140(平均120). 外総苞片は密着またはしばしば開出する。内片は総苞の2/3、 角状突起は明瞭で長さ2--6 mm. 外片は線状楕円形または線状披針形で長さ 10--15 mm,幅 2--4.5 mm。花柱と柱頭は黄色もしくは灰色(Flora of Japan)

 現地は安来市の中心部から南方約15キロ、鳥取との県境に近い山間部の集落で、伯太川支流の小竹川沿いに建つ赤屋村立小竹小学校(廃校時は伯太町立)の廃校舎周辺です。最初に発見した大型の株を含めて20個体以上が廃校の校庭やその周辺に自生していました。今のところこの付近以外では見つかりませんでした。
odakesyo14042614.jpg
odake14050919.jpg
続きを読む
posted by しまねこ at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | トウカイタンポポ

2014年05月09日

伯太・広瀬調査

 赤屋のトウカイタンポポを再々度確認に安来市伯太町へ出かけました。旧小竹小学校の廃校付近は大分夏草が伸びていましたが、トウカイタンポポはまだ開花していました。

14050905.jpg
前回と合わせて20株以上が廃校の校庭やその周辺に自生しているのを確認。

odake14050926.jpg

校庭の桜の樹の根元に群生しています。


トウカイタンポポは、関東地方以西の中部東海地方に分布する低地性2倍体のタンポポで、山陰地方には自然分布していません。どうしてトウカイタンポポが島根の山中、しかも廃校跡付近だけにあるのかが謎です。
 トウカイタンポポの咲いている場所から樹木や土ごと持ち込まれたという可能性もも考えられます。

odake14050924.jpg

総苞(ガクのような部分)の外片が内片の半分以上と長く、外片の先端の角状突起が大型なのが特徴です。


校庭の周辺にはキビシロタンポポ、さらにはクシバタンポポも確認できましたが、この周辺ではいずれも確認できていません。これも謎です。




帰路、山を越えて広瀬町宇波でヤマザトタンポポを確認。

unami14050931.jpg

unami14050932.jpgunami14050934.jpg
posted by しまねこ at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2014年05月06日

カンサイタンポポの人工授粉

 庭で育てているカンサイタンポポが満開状態です。しかしどの花も種ができている気配がありません。
14142751.jpg

 カンサイタンポポは2倍体の有性生殖なので、他の花の花粉を受粉できないと受精して種を作る事ができません。


そこで、今回、倉敷で採集してきたカンサイタンポポの頭花をゴシゴシとうちのカンサイタンポポの花にこすりつけてみました。

果たして、ちゃんと種ができるでしょうか。


続きを読む
posted by しまねこ at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究ノート

2014年05月05日

倉敷のカンサイタンポポ

 家族サービスで倉敷の美観地区へ。
 タンポポ調査とは関係ないのに、つい道端のタンポポを見てしまうのはタンポポ屋の性か。

 美観地区の東の外れの路上でカンサイタンポポを発見
jyotiku14050504.jpg

すぐ北側にある鶴形山の八幡宮の近くにたくさんありました。
hatiman14050503.jpg
14050501.jpg

 帰路に寄った倉敷市と総社市の境目にある酒津公園付近でも見かけました。

14050510.jpg

 カンサイタンポポの分布している地域では、こんなにも身近に在来種が咲いているのかと、ちょっと驚きでした。山陰地方では隠岐島を除いては低地性の2倍体在来種が自然分布していないので、市街地で在来種に出会う事がまずありません。
続きを読む
posted by しまねこ at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | カンサイタンポポ

2014年05月01日

大東・奥出雲調査

奥出雲方面の調査
大東町山王寺
棚田の近くでヤマザト
image.jpgimage.jpg
雲南市大東町塩田
大東から塩田経由で上久野へ。
清田 ヤマザト
篠淵 ヤマザト クシバ
上久野 木次線周辺を調査するが見つからず

奥出雲町上阿井 ケンサキ
posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2014年04月30日

玉湯八雲フィールド

玉湯踏切
シロバナ 一株キバナシロ
tamayu14043052.JPGtamayu14043053.jpg
線路脇にヤマザト一株

忌部大谷
ヤマザト(ケンサキ型)シロバナ

八雲平原畦石室
クシバ ヤマザト

八雲星上
ヤマザト(ケンサキ型)
八雲別所
ヤマザト(ケンサキ型)

安来市山佐
 
ヤマザト(ケンサキ型)シロバナ
安来市広瀬三郎谷
ヤマザト(ケンサキ型)クシバ

八雲桑並

ヤマザト(ケンサキ型)

posted by しまねこ at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート

2014年04月26日

伯太フィールド調査

 前回の調査で見つけたトウカイタンポポらしき黄花の2倍体タンポポについて再度調査に出かけました。
 
 kotake140414041.jpg

 伯太町赤屋から伯太川の支流小竹(おだけ)川を遡り、廃校跡の周辺を調査したところ、続々と総苞外片の角状突起の大きいタンポポを発見。今回は花が咲いていたので容易に見つけられました。

14042617.jpg


確認できただけで12株。これだけあれば有性生殖の2倍体タンポポでも集団を維持できそうです。
odakesyo14042614.jpgkotake140414035.jpg

続きを読む
posted by しまねこ at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | フィールドノート