2011年10月05日

外片の密着した雑種タンポポ?

 10月に入って、すっかり涼しくなりました。そろそろ秋咲きのシロバナタンポポが開花していないかと、島根大学松江キャンパスへ観察に出かけました。夏の間休眠していたシロバナタンポポがだいぶん葉を広げていましたが、花を咲かせているものは見当たりませんでした。

 黄色い花を見つけても、ほとんどがブタナで、一部外来種タンポポが花を開いている程度でした。
 その中に、総苞外片がほとんど密着してるタイプのものがありました。

simadai11100501.jpgsimadai11100502.jpg

 総苞外片は濃緑色で厚みがあり、外片は内片とほとんど同じ長さで総苞片の先端に在来種のような角状突起はほとんどありません。

 これは昨年の11月にこの近くで見つけた外来種と同じタイプのようです。

 本来、タンポポ属は花茎の途中に葉をつけないのですが、総苞のすぐ下と、もう少し下に葉のようなものが出ています。
posted by しまねこ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2011年06月13日

雑種タンポポの芽生え

 カンサイタンポポに続いて、雑種タンポポも発芽しました。昨年の秋に島根大学松江キャンパス構内で総苞外片がほぼ直立したタイプの雑種タンポポを見つけました。その時に採集しておいた種を先月の28日に播いたところ、16日目の今朝、2株発芽していました。

shimadai11061301.jpg

 このタンポポは総苞外片の一部は密着せず、やや外向きに開いているものの、ほぼ上向きです。ちょっと見には在来種にも見えます。

sima10111313.jpgsima10111316.jpg
(島根大学生物資源科学部付近;2010/11/13撮影)
外片は細長くて総苞とほぼ同じ長さです。在来種のような角状突起はありません。総苞全体は濃緑色をしています。


 今後生長してどのような花をつけるのか、また可能ならば染色体数も調べてみる予定です。続きを読む
posted by しまねこ at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2011年04月16日

ロクアイタンポポ

 タンポポ調査に歩いていると、総苞外片の反転が小さくて在来種と判別しにくい大型のタンポポがあります。
rokuai11041523.jpg
(松江市上乃木町総合運動公園テニスコート)
rokuai11041506.jpg
(頭花の直径は5cmを超えています。)

 タンポポ調査西日本2010調査報告書によればロクアイタンポポ(仮称)として
「兵庫県神戸市の人工島六甲アイランドにある市立六甲アイランド高校内で見つかったタンポポで、時に直径6cmを超えるきわめて大きい頭花をつける。総苞外片は幅が広く、先端にはわずかに角状突起がある。(中略)今回のタンポポ調査では種名にあげていないが、兵庫の他で、滋賀、奈良、岡山、広島、福岡などでそれらしい頭花が見つかっている。」とされています。

 また六甲アイランド高校の生徒が研究した結果によると、このタンポポは4倍体で、核DNAのITS領域の解析によって、セイヨウタンポポとカンサイタンポポの雑種ではないかと推定しています。
 リンク先の文書によると、核DNAのITS領域という部分を制限酵素という遺伝子を切り取るハサミのようなもので切断すると、タンポポの種類によって色々な長さのDNA断片ができるそうです。その断片の長さを比較してみると、ロクアイタンポポには、セイヨウタンポポと同じ長さの断片があり、さらにカンサイタンポポと同じ長さの断片があったということです。さらにキビシロタンポポ、シロバナタンポポと同じ長さの断片があったということで、これについては他の遺伝子についても調べる必要があるとしています。続きを読む
posted by しまねこ at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2010年11月13日

総苞外片がほとんど反転しない雑種

シロバナタンポポの試料採集のために出かけた島根大学西川津キャンパスで、総苞外片がほとんど反転していないセイヨウタンポポ系の雑種を見つけました。
sima10111312.jpg

 総苞外片の一部は密着せず、やや外向きに開いているものの、ほぼ上向きです。ちょっと見には在来種にも見えます。

続きを読む
posted by しまねこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2010年05月07日

雑種アカミタンポポ

 北公園のカンサイタンポポが咲いている周辺には、在来種と見間違うほど外総苞片が直立したタイプのアカミタンポポが目立ちます。
akami10050724.jpgkita_b10050714.jpg
(左:雑種アカミ、右:カンサイタンポポ)続きを読む
posted by しまねこ at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2007年03月17日

島根大学川津キャンパスの雑種

 島根大学川津キャンパスのシロバナタンポポの様子を見に出かけました。晴れてはいたものの風がまだ冷たく、気温は7℃とのこと。

 キャンパスでは外来種タンポポ(種子をつけていない状態では、セイヨウとアカミの区別が困難)とシロバナタンポポが咲きはじめていました。

10079791.jpg

 シロバナタンポポはどちらかというと古い建物、法文学部本館、図書館周辺に多く、最近建った理工学部2号館、3号館付近では外来種タンポポが目立ちました。どちらも日当たりのよい南側で開花しています。

 外来種と思われるタンポポの外総苞片を確認していると、完全に反転していない個体がありました。
10079768.jpg


 もしかすると3倍体の雑種かも?
3倍体雑種が自然に侵入したということが考えられますが、近くに2倍体の在来種があるのかもしれません。北公園の在来種コロニーからは北にかなり離れているので自然に在来種の種や花粉が運ばれてきた可能性は薄いと思われますが、なにしろここは大学の総合理工学部。
 

 私がここの生物学研究室の学生だった頃、「ふむふむ、隠岐の島には××ガエルがいないのか。よーし、俺が持ち込んでやろう!」(ヲイヲイ ^^;)というような同期生がいたりしましたので...。

 
posted by しまねこ at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2007年03月11日

セイヨウタンポポと日本タンポポの雑種

 セイヨウタンポポとアカミタンポポのような外来種(帰化種)タンポポと、日本固有の在来種タンポポ(日本タンポポ)は、外総苞片が反り返っているものは外来種、反り返らず直立しているものは在来種というように外総苞片で区別できると思われていました。

10076309.jpg
 ところが最近、外総苞片の反り返り具合が在来種と外来種の中間のものがあり、葉に含まれる酵素の型や遺伝子の解析により、それらはセイヨウタンポポと2倍体の在来種との雑種である事がわかってきました。続きを読む
posted by しまねこ at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ

2007年02月27日

早春の雑種タンポポたち

松江市北公園の中央部に、カンサイタンポポの小コロニーがあります。

 まだ2月の末なので、カンサイタンポポはようやく花芽ができはじめた段階ですが、コロニーの周辺部ではすでに在来種と外来(帰化)種の雑種とみられるタンポポが開花していました。
10076309.jpg

続きを読む
posted by しまねこ at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑種タンポポ