2010年03月01日

キバナシロタンポポに関するあれこれ

 最近こちらのブログを見ていただいた方から、「キバナシロタンポポに興味を持った」というメールを頂戴しました。

 ここではシロバナタンポポTaraxacum albidum)の黄色花のものをキバナシロタンポポと記載しているのですが、改めてネットで探してみるとキバナシロタンポポという呼び方は一般的ではないようです。

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(黄色い花をつけているシロバナタンポポ:2005年5月/出雲国庁)

 もしかして私が勝手に呼んでいるだけなのか?と不安になって色々と資料を当たってみました。
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2010年02月06日

虫の眼で見たシロバナタンポポ

 前々項「タンポポの白色変異」で、「白花のタンポポは黄色種に比べて、目立たないので、花粉を媒介する昆虫が集まりにくい、従って、生存競争に不利」という仮説をたてました。

 それを検証するため、いろいろ調べてみました。

 まず、花粉を媒介する昆虫の視覚特性について。「虫の目」というサイトで、人間と昆虫の可視波長域についてわかりやすくまとめてありました。

それによると、
人間 約0.4〜0.8μm、
蝶や蜂 約0.3〜0.7μm

だそうです。人間に比べて波長の長い赤色付近は見分けられず、逆に、人間の目には見えない、波長の短い紫外線領域が見えているそうです。

ということは、紫外線写真で比べてみれば、白花と黄色のタンポポのどちらが昆虫にとって目立つかがわかります。

そこでさらに調べていくと、実際にシロバナタンポポセイヨウタンポポを紫外線写真で撮った画像がありました。

キク科の頭状花序の紫外線パターン

さらに、自分で実際に紫外線写真を撮ってみました
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(デジタルカメラに近紫外線透過、可視光カットフィルタを取り付けて撮影)
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(可視光による写真)


 明らかに、シロバナタンポポの方が目立ちます。

 私の最初の仮説は、見事に否定されたようです

 とは言っても、「目立つ=虫が好む」ということではないので、黄色い花と白い花のどちらに花粉を媒介する昆虫が集まるかは、今後も調べてみる必要がありそうです。
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2010年02月05日

白い花のタンポポについて調べてみた

 白い花を咲かせるタンポポについて、ネットや文献で調べたものを列挙します。

 シロバナタンポポTaraxacum albidum白花蒲公英 (bai hua pu gong ying)Taraxacum leucanthumチョウセンシロタンポポ T. coreanum Nakai以外は、完全な白花ではなくて、薄黄色や、花弁の一部が白いもののようです。


シロバナタンポポ Taraxacum albidum
染色体数 2n = 40 (pentaploid). 5倍体
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キビシロタンポポ Taraxacum hideoi
頭花は直径3.5-4cm、舌状花は白色または薄黄色、外総苞片は密着する。(岡山県周辺、九州北部)
染色体数 2n = 32 (tetraploid). 4倍体

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2010年01月24日

タンポポの白い花(白色変異)について

 地元の祭で近くの神社へ出かけてみると、このところの暖かさでシロバナタンポポTaraxacum albidum)が開花していました。その中に、少し黄色がかった花もありました。

 元々タンポポの花は黄色いという基本属性があるために、その白色種をシロバナタンポポと呼んでいるわけですが、さらにその変異として黄色(淡黄色も含む)の花をつけるものにはキバナシロタンポポ(黄花白タンポポ)という複雑な名前がつけられています。
これは先祖がえりと考えられるのかもしれません。

花弁が白くなる理由

 
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2008年10月28日

タンポポの葉がギザギザなのは?

 タンポポの英名Dandelionは「ライオンの歯」を意味しています。猛獣の歯のようにギザギザしているタンポポの葉の特徴を良く表現していると思います。
 
 タンポポの観察をしていて気づいた事。花期(花を咲かせている時期)は確かに特徴的な切れ込みのある葉なのですが、それ以外の時期、夏から秋にかけての時期のタンポポの葉は小松菜のような全縁だったり、切れ込みがあっても浅い状態です。

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 どうしてこういう違いがあるのかな?と考えているうち、

そもそもなんでタンポポの葉はギザギザなのか?

という疑問が出てきました。

 タンポポの文献を調べてもそのあたりを説明した文章は見当たりません。そこでいろいろとネットで検索してみて「日本植物生理学会」の質問コーナーでその回答になりそうな文章を見つけました。

 以下はその引用です(注:文中の「鋸歯」というのは、葉のギザギザのこと)
 鋸歯を持つ意義としては、まず、葉面境界層を薄くすることがあげられます。
 葉面境界層とは葉の周りの空気のよどみで、薄ければ薄いほど、ガス交換に有利です。鋸歯によって空気の渦ができると、空気のよどみがかき混ぜられることになり、平均境界層は薄くなります。これにともない、光合成速度は上昇しますが、蒸散速度も上昇することになります。短い期間に効率よく光合成生産を行うには、都合のよい性質でしょう。一方、鋸歯葉には、ちぎれやすくなるなど、力学的観点からは問題もあります。これらを勘案すると、短期間で光合成生産を行う落葉樹の葉は鋸歯を持つのが有利といえるかもしれません。

 切れ込みが深くなると鋸歯ではなく裂片とよびます。境界層の厚さは葉のサイズに依存し、葉のサイズが大きいほど厚くなります。同じ面積の葉に裂片があるのとないのとでは、裂片を作る方がはるかに境界層を薄くすることができます。

 また、全縁の葉は大きな本影(太陽は点光源ではないので、影にも本影と半影がある)を作りやすく、下の葉が本影を避けようとすると、その葉よりもずいぶん下に位置する必要があります。裂片や大きな鋸歯があると、下に本影が出来にくくなりますので、それほど下に位置する必要がありません。このように、裂片や大きな鋸歯には、光環境を平均化するという利点もあります。


 ギザギザの利点

1.葉の周りの空気をかき混ぜることで、光合成のために必要な二酸化炭素を取り込み酸素を吐き出すのに有利。

2.下の方の葉にも太陽光が当たりやすくなる。


 いずれも光合成を効率的におこなうのに有利ということでしょうか。

 その反面、葉がちぎれやすくなるという欠点もあるわけですが、春の短い期間だけ葉をのばして夏には根っこだけになるタンポポにとっては、それほど大きな問題ではないということでしょう。
kansai_niwa060430034.jpg
タグ:葉面境界層
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2008年04月13日

カリフォルニアタンポポ(Taraxacum californicum)

 USDA(アメリカ合衆国農務省)のNatural Resources of Conservasion Service によるとタンポポ属はアメリカ全土に分布しているそうで、9種が記載されています。

 そのうちNative(アメリカ土着=在来種)は6種、Introdeced(帰化種)は3種で、アカミタンポポT.laevigatum)もRock Dandelionとして記載されています。セイヨウタンポポ(T.officinale)はNativeなんだそうです。セイヨウタンポポが日本に侵入し始めた頃は「アメリカタンポポ」と呼ばれていたというのはそういう理由なのかもしれません。

 色々なデータベースを見ていくうちに、アメリカのタンポポにも総苞が反転していないタイプがあることに気づきました。その中でもカリフォルニアタンポポTaraxacum californicum)の写真はカンサイタンポポT.japonicum)に良く似ています。続きを読む
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2007年06月07日

キバナシロタンポポ(黄色いシロバナタンポポ)

 フィールド調査をしているとしばしばシロバナタンポポTaraxacum albidum)の群落に黄花の個体を見つかります。じっくり観察しないとシロバナタンポポと他の黄花の在来種との混生なのか、シロバナタンポポの黄花個体(キバナシロタンポポ)なのかわかりません。

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(写真はシロバナタンポポクシバタンポポヤマザトタンポポT.arakii)の混生)

  基本的に花弁が黄色いタンポポ属(Taraxacum)ですが、一部シロバナタンポポケイリンシロタンポポ(チョウセンシロタンポポ)T.coreanum)など白花種があります。

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2007年04月21日

タンポポの綿毛(冠毛と痩果)の比較

 島根県東部で観察できるタンポポの綿毛の写真を撮り痩果の色を中心にを比較してみました。(参考のために東京で撮影したカントウタンポポもあります)
撮影した時の光の条件が一定ではないので、実際の色調とは違って見えるかもしれません。
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(左)セイヨウタンポポTaraxacum officinale)松江市西津田 (右)アカミタンポポT.laevigatum)松江市大草町
画像をクリックすると拡大します。


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2007年03月21日

エゾタンポポはシナノタンポポの倍数体

 東北から北海道にかけて分布するエゾタンポポTaraxacum venustum)はシナノタンポポT. platycarpum ssp.hondoense)の同質倍数体ということを新潟大学の森田博士が明らかにしました。



シナノタンポポ(山梨県塩山市)



エゾタンポポ(宮城県仙台市)


以下はJournal of Plant Research 2007年01月号和文要旨よりの引用です。

 

 日本産同質倍数体タンポポとその推定2倍体祖先種の発芽特性比較
Hoya A,Shibaike H,Morita T,Ito M (2007) Germination characteristics of native Japanese dandelion autopolyploids and their putative diploid parent species.J Plant Res 120: 139-147

 高次倍数体であるエゾタンポポは,2倍体であるシナノタンポポの同質倍数体と考えられている. 両者の発芽特性を比較すると,エゾタンポポの方が,低温と高温での発芽抑制が強く,また至適温度での発芽率も高かった.これらの発芽特性の違いが地理的分布に影響する可能性などについて議論した.
(p.139-147)
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ロゼット葉(Rosette)

 ロゼット(Rosette)という言葉は、バラの花が語源で、放射状に配置する状態をさします。タンポポのように花茎を中心として放射状に広がる葉がロゼット葉です。

 ロゼット葉のタンポポは、秋に草刈りをされる場所では平たく広がっているために葉を刈り取られることが少なく、競争相手の無い状態で太陽の光を受けることができます。

 冬を越すと、いち早く新しい葉を広げて栄養を蓄積し、花茎を伸ばして開花。他の植物が生長し始める前に綿毛の種子を飛ばして繁殖を終了させてしまいます。

 そして夏草が伸び始める頃、在来種は競争を避けて地上葉を撤退させて休眠期に入ります。夏草が枯れ、秋の草刈りが終わる頃、ロゼットとなり、冬に備えます。
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 タンポポはロゼット葉によって、他の植物との競争を回避して賢く繁殖しているのです。
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2007年03月10日

雑種タンポポを外観から見分ける方法

セイヨウタンポポ
充分量の花粉があり外総苞片が完全に反転する。

3倍体雑種
充分量の花粉があり外総苞片が斜め上を向く。
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4倍体雑種
花粉がなく外総苞片が斜め下に向く。

雄核単為生殖雑種
花粉が少量、外総苞片が完全に反転する。


 東京大学緑地創成学研究室、山野美鈴さんは、その論文「雑種タンポポの形態・繁殖・生育地特性とその環境指標性」で雑種タンポポの簡便な識別法について書いています。
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2007年03月01日

カンサイタンポポの紅葉現象の研究(その2)

 前回は、カンサイタンポポのロゼット葉が寒さで紅葉する現象を追求してみました。

 葉の組織を顕微鏡で観察して、葉の細胞質が赤紫色の色素で満たされていることがわかったのですが、その意味と着色のメカニズムが新たな疑問として残りました。

ネットでいろいろと資料をあさったところ、
日本植物生理学会-みんなの広場-、質問コーナーの「紅葉現象」に関する回答に参考になる記述を見つけました。


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2007年02月27日

カンサイタンポポの紅葉現象の研究

冬のカンサイタンポポのロゼット葉は、低温にさらされて赤紫に変色していました。



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 では、どうしてこの「紅葉現象」が生じるのでしょうか?
 まずはネットで検索してみましたた「タンポポ、葉緑体、紫」などのキーワードで探してみても、タンポポのロゼットが赤紫に変色する事についての記述は見つけられませんでした。
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2006年12月21日

冬至のタンポポたち

 今年の冬は雪が遅いようだ。冬至の時期まで積雪が無いのは珍しい。庭のカンサイタンポポは冬仕度で紫がかった色になっている(左)。
 
 隣の鉢のアカミタンポポ(右)は、今年の6月に種蒔きしたもの。夏から秋ごろまで本葉の周囲は直線的(全縁形)だったのが、いつのまにか切れ込みが入って、ギザギザのタンポポの葉らしくなっている。
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2006年06月18日

田んぼの畦草刈りとタンポポ調査

 在来種タンポポのフィールド調査時期は大体3月から5月の間です。在来種は開花時期以外では地上部の葉を枯らして休眠期に入ってしまって、見つけることはまず不可能だからです。

 それ以外の時期に開花しているのは帰化種くらいです。まれにシロバナタンポポが秋の小春日和の頃とか、2月の暖かい時期に開花しているの見かけることはありますが、例外。

 さらに、調査する時間帯も朝早くや夕方では在来種はさっさと花を閉じてしまうので午前10時から午後4時くらいでないと見つけにくくなります。

 そういう条件の良い晴れた休日にフィールドに出かけるわけですが、いざ当たりをつけておいた在来種の咲いていそうな地域へ出かけてみると、在来種が咲いていたはずの道路脇や田んぼの畦がきれいに草刈りされていることがしばしばです。

 一足違いで在来種タンポポの生育地がきれいさっぱり草刈されていて、刈り取られたばかりの葉と花茎を採集して帰ったこともあります。
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 個人的な事情で農村地域に転居したお陰で農家の草刈サイクルというものがわかってきました。田植えが始まる少し前に畦を作り直すために畦の草刈がされます。これがちょうど在来種の花盛りの時期でもあります。

 さらに、梅雨に入る前に水路の水はけをよくするために用水路周辺の草刈が実施されるようです。

 このように草刈りが定期的に行われている環境が実は休眠期を持つ在来種にとって最適なようです。

 
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2006年06月03日

タンポポ属の定義

キク科タンポポ属 Taraxacum Wiggers 

 無茎の多年草。葉は根生し、全縁または羽状分裂する。花茎は根生し、葉をつけず、頭花を単生する。

 頭花はやや大型、総苞は鐘形または長楕円形、苞片は草質で、最内片は1列、外片は多列で短く、ときには上部が外曲し、花床は平坦、無毛。花冠は戴頭、5歯牙がある。

 痩果は長楕円形または狭長円柱形、4-5稜があるか、やや扁平、やや10肋条あり、基部は細まり、上部はしばしば櫛状突起あり、上端は細長い嘴となる。冠毛の剛毛は多数で、細く、不同長である。

 世界の温帯、亜寒帯に分布し、とくに北半球に多い。
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2006年05月16日

セイヨウタンポポの日本上陸時期

 ヨーロッパ原産と言われるセイヨウタンポポが日本にいつごろ入ってきたのかは、明らかでないが、多くの文献で明治期に北海道に最初に入ったとされている。

「タンポポの観察実験」
ニューサイエンス社、山田卓三著
では
 セイヨウタンポポは札幌農学校創立当時ブルックスがアメリカからサラダ用にもちこみ家庭菜園に栽培したのが始まりだといわれている。または北海道にジャガイモが導入された時(1874年)に一緒に侵入したともいわれている。セイヨウタンポポの最も古い標本は1904年北海道産として保存されている。


 
「日本のタンポポとセイヨウタンポポ」どうぶつ社、小川潔著には

 植物学者の牧野富太郎さんは1904年の植物学雑誌に、札幌で外来種のセイヨウタンポポが見つかったことを紹介して、将来日本中にこの植物が広がっていくだろうと予言をした

 と記載されており、参考文献として 牧野富太郎、1904、日本ノタンポヽ、植物学雑誌18、92-93を示している。
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2006年05月06日

セイヨウタンポポの特殊性

 セイヨウタンポポが都市化の進んだ荒地で繁殖できる理由について、新潟大学教育学部の森田龍芳教授は以下のような点を挙げている。



(1)在来種が夏季に葉を枯らし休眠することにより、他の植物との競争をさけるのに対し、セイヨウタンポポは夏季も葉を展開し生産をつづける。


(2)花期は主として春であるが、夏から秋にかけても開花し種子生産をつづける。

(3)同じ大きさの株を比較すると、セイヨウタンポポは頭花数が多く、種子数も2倍以上である(1株の最多種子数は在来種の約7000個に対し、セイヨウタンポポでは15000個

(4)セイヨウタンポポの痩果は軽く、風散布力は在来種よりはるかに大きい。

(5)在来種の種子は夏の高温により発芽が抑制され、おもに10月ごろ発芽するが、セイヨウタンポポは広い温度域で発芽するので、夏にも実生がみられる(Ogawa 1978)

(6)セイヨウタンポポは種子繁殖への切りかえが早く、ロゼットの直径が2cm程度の小さな株でも花をつける。そのため、発芽1年以内に繁殖に参加できる。繁殖にいたるまで2〜3年かかる在来種とは対照的である。


雑草の自然史、北海道大学図書刊行会。第6章世界に分布を広げた盗賊種・森田竜義・新潟大学教育学部 (p192-193)より引用
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帰化種タンポポは要注意外来生物

 タンポポに関する文献をネット検索していたら、こんなものを見つけました。

環境省ホームページ「外来生物法


 外来タンポポ種群は同法で要注意外来生物に指定されていて、「既に広く野生化しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある地域については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。」のだそうです


要注意外来生物:外来タンポポ種群

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雑種タンポポの識別と全国分布

 雑種タンポポの出現頻度と全国分布平成13 年度に環境省が実施した「身近な生きもの調査」では、日本全国からタンポポ類の頭花と種子が収集され、それらの分布図が作成された。
(中略)

 形態的にセイヨウタンポポと見なされた844個体のうち、純粋なセイヨウタンポポとして識別された個体はわずか131個体(15 %)で、残り713個体(85 %)が雑種タンポポであることが判明した。雑種タンポポの内訳は、4倍体雑種が463個体(55 %)、3倍体雑種が174個体(21 %)、雄核単為生殖雑種が76 個体(9%)であった。
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農業環境技術研究所組換え体チーム「雑種タンポポの識別と全国分布」より引用
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