ここではシロバナタンポポ(Taraxacum albidum)の黄色花のものをキバナシロタンポポと記載しているのですが、改めてネットで探してみるとキバナシロタンポポという呼び方は一般的ではないようです。

(黄色い花をつけているシロバナタンポポ:2005年5月/出雲国庁)
もしかして私が勝手に呼んでいるだけなのか?と不安になって色々と資料を当たってみました。
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タグ:キバナシロタンポポ
鋸歯を持つ意義としては、まず、葉面境界層を薄くすることがあげられます。 葉面境界層とは葉の周りの空気のよどみで、薄ければ薄いほど、ガス交換に有利です。鋸歯によって空気の渦ができると、空気のよどみがかき混ぜられることになり、平均境界層は薄くなります。これにともない、光合成速度は上昇しますが、蒸散速度も上昇することになります。短い期間に効率よく光合成生産を行うには、都合のよい性質でしょう。一方、鋸歯葉には、ちぎれやすくなるなど、力学的観点からは問題もあります。これらを勘案すると、短期間で光合成生産を行う落葉樹の葉は鋸歯を持つのが有利といえるかもしれません。 切れ込みが深くなると鋸歯ではなく裂片とよびます。境界層の厚さは葉のサイズに依存し、葉のサイズが大きいほど厚くなります。同じ面積の葉に裂片があるのとないのとでは、裂片を作る方がはるかに境界層を薄くすることができます。 また、全縁の葉は大きな本影(太陽は点光源ではないので、影にも本影と半影がある)を作りやすく、下の葉が本影を避けようとすると、その葉よりもずいぶん下に位置する必要があります。裂片や大きな鋸歯があると、下に本影が出来にくくなりますので、それほど下に位置する必要がありません。このように、裂片や大きな鋸歯には、光環境を平均化するという利点もあります。 |
日本産同質倍数体タンポポとその推定2倍体祖先種の発芽特性比較
Hoya A,Shibaike H,Morita T,Ito M (2007) Germination characteristics of native Japanese dandelion autopolyploids and their putative diploid parent species.J Plant Res 120: 139-147
高次倍数体であるエゾタンポポは,2倍体であるシナノタンポポの同質倍数体と考えられている. 両者の発芽特性を比較すると,エゾタンポポの方が,低温と高温での発芽抑制が強く,また至適温度での発芽率も高かった.これらの発芽特性の違いが地理的分布に影響する可能性などについて議論した.
(p.139-147)
セイヨウタンポポは札幌農学校創立当時ブルックスがアメリカからサラダ用にもちこみ家庭菜園に栽培したのが始まりだといわれている。または北海道にジャガイモが導入された時(1874年)に一緒に侵入したともいわれている。セイヨウタンポポの最も古い標本は1904年北海道産として保存されている。
植物学者の牧野富太郎さんは1904年の植物学雑誌に、札幌で外来種のセイヨウタンポポが見つかったことを紹介して、将来日本中にこの植物が広がっていくだろうと予言をした
(1)在来種が夏季に葉を枯らし休眠することにより、他の植物との競争をさけるのに対し、セイヨウタンポポは夏季も葉を展開し生産をつづける。
(2)花期は主として春であるが、夏から秋にかけても開花し種子生産をつづける。
(3)同じ大きさの株を比較すると、セイヨウタンポポは頭花数が多く、種子数も2倍以上である(1株の最多種子数は在来種の約7000個に対し、セイヨウタンポポでは15000個
(4)セイヨウタンポポの痩果は軽く、風散布力は在来種よりはるかに大きい。
(5)在来種の種子は夏の高温により発芽が抑制され、おもに10月ごろ発芽するが、セイヨウタンポポは広い温度域で発芽するので、夏にも実生がみられる(Ogawa 1978)
(6)セイヨウタンポポは種子繁殖への切りかえが早く、ロゼットの直径が2cm程度の小さな株でも花をつける。そのため、発芽1年以内に繁殖に参加できる。繁殖にいたるまで2〜3年かかる在来種とは対照的である。
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