2011年06月03日

浜田のシロバナタンポポ染色体

 4月中旬に島根県西部に出かけた時に、江津市浜田市シロバナタンポポを採集して来ました。今回は浜田のシロバナタンポポの根端の染色体を観察しました。
 採集して来た株の葉や茎を容赦なくむしり取り、主根から生えている細かい根も取り除いてからプランターに浅く伏せ植えししました。そして新しく生えて来た白い根の先端部分を染色体観察用の試料として使います。

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2011年04月27日

松江市古江町シロバナ染色体

 松江市北西部の湖北地区では昨年の春に総苞外片の長いタイプのシロバナタンポポがみられました。今回は古江町古江小学校付近から採集したシロバナタンポポの染色体を調べました。

 今年の春に咲いていた古江町のシロバナタンポポの総苞に対する総苞外片の長さの比率(外片の長さ/総苞の長さ)であるCD値は0.61から0.71で、角状突起も長いので、4倍体のケイリンシロタンポポではないかと期待していました。

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 昨年の秋に松江市立古江小学校付近の農道脇で採集したシロバナタンポポの根を伏せ植えしておきました。一昨日、新たに生長した白い根の先端を採集して8-ヒドロキシキノリンに25℃で4時間おき、その後5時間5℃の冷蔵庫に保管後、ファーマー液(酢酸1:エチルアルコール3)で固定しました。

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 比較的よく染色体が凝集して細胞内に散らばっています。一部細胞が重なって見えにくいですが、約40本の染色体が見えます。
今回採集した古江地区のシロバナタンポポは5倍体(2n=5x=40)でした。
 
 同じ湖北地区の秋鹿町のものも5倍体で、こちらも4倍体のケイリンシロタンポポではありませんでした。昨年秋から、総苞外片の長いタイプを中心に松江市各地から集めたシロバナタンポポの染色体を調べていますが、今のところ4倍体のもの(=ケイリンシロタンポポ)は見つかっていません。(2011/5/12追記)
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2011年04月19日

総苞外片の長いシロバナタンポポの染色体

 シロバナタンポポ(Taraxacum albidum)を調査・観察していると、総苞外片の長いタイプを見かけます。

 新潟大学の森田教授は、朝鮮半島に分布するケイリンシロタンポポ(Taraxacum coreanum Nakai)が日本国内にも分布していることを発見しました。そして、ケイリンシロタンポポとシロバナタンポポを見分けるポイントは、総苞外片の長さと角状突起の大きさだとしています。

 しかし、シロバナタンポポの総苞外片の長さはかなり個体変異が大きく、同じ場所に自生しているタンポポでも、その総苞外片や角状突起の大きさはかなり違います。

 そこで確実に両者を区別するには染色体数を調べるより方法がありません。シロバナタンポポは染色体数40本の5倍体、ケイリンシロタンポポは染色体数32本の4倍体という違いがあります。

 松江市内でみられる総苞外片が長いタイプのシロバナタンポポについて、ケイリンシロタンポポかどうかを確認するため、今日は松江市大草町から採集した「国庁6号」と名付けたタンポポの染色体数を調べました。


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 角状突起の長いシロバナタンポポの集団から掘り出して、その主根を伏せ植えしました。そして主根から新たに生えた白い根の先端を切り取ってその標本の染色体を顕微鏡で観察します。
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 上の画像は植え替えて新たに伸びて開花した「国庁6号」の花です。花が一杯に開いた状態では、総苞外片が長いように見えますが実際に長さを測ってみると、総苞全体の長さの6割程度です。ケイリンシロタンポポの総苞外片の総苞に対する比率(CD値)は2/3から3/4とされていますから、ちょっと短めでした。続きを読む
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2010年12月11日

シロバナタンポポ染色体

 シロバナタンポポTaraxacum albidum)の染色体数を調べるために、プランターで伏せ植えしていたタンポポにようやく新しい根が生えました。さっそく切り取ってキノリン処理と固定をして観察しました。
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 今回は染色体数を数えやすい細胞がすぐ見つかりました。8-ヒドロキシキノリン処理によって染色体が凝縮していて細胞の中に良い具合に散っています。(400倍)画面中央の細胞内に染色体が斑点状に見えています。

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2010年12月02日

緋紅蒲公英の染色体数

 染色体の観察実験の第3段階として、ピンク色のタンポポ、緋紅蒲公英Taraxacum pseudoroseum)の染色体数を調べることにしました。予備実験と同じ手順でまず、濡らしたペーパータオルの上に緋紅蒲公英の種を20個ほどバラ播きました。

 25℃で5日ほどおいたところで10個ぐらいが発芽してきましたので、根が1cmぐらい伸びたところで8-ヒドロキシキノリンに入れ、25℃で2時間、そのあと冷蔵庫に入れ、5℃で4時間おいて染色体を凝縮させました。

 ファーマー液(酢酸1:エチルアルコール3)に入れて固定。水洗いした後、60℃に加温した1規定塩酸で10分間解離してから水洗。酢酸オルセインで5分染色し、押しつぶし法で標本を作って、顕微鏡で観察しました。

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2010年12月01日

シロバナタンポポの発芽・発根

 シロバナタンポポ(Taraxacum albidum)の染色体数を調べるために生長の盛んな根の先端が必要です。それで種子からの発芽と主根からの発根の両方を試しています。

 まずは、いろんな所から採集してきたシロバナタンポポの主根をプランターに伏せ植えしました。
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 そしてもう1つは種子からの発芽です。紙コップに濡らしたペーパータオルを敷き、3系統のシロバナタンポポの種子を播いています。外来種タンポポですと、このまま数日おくだけですぐに発芽するのですが、シロバナタンポポはなかなか発芽してくれません。

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 15℃以下の低温と、高温状態が繰り返されないと発芽しないという研究があります。それを参考に、昼間は25℃、夜間は5℃の冷蔵庫に入れるということを繰り返している所ですが、今のところ発芽する兆しがありません。

 
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2010年11月13日

柄付き針の自作

 染色体の観察にあたって、色々な薬剤や器具が必要となります。顕微鏡は職場で耐用年数がきてお払い箱になったものを譲り受けましたが、標本を作る時にわずか1cmくらいの根の先端を1mmだけ切り取るような細かい作業を肉眼でやるのはちょっと厳しいものがあります。

 本来は実体顕微鏡で見ながら柄付き針という道具でやるのです。学生の時には割り箸の先に木綿針を縛り付けたものでショウジョウバエの唾液腺を解体して染色体を観察していました。

 柄付き針もネットで探せばそんなに高いものではないのですが、どこかのサイトで見た方法で柄付き針を自作しました。
材料はシャープペンシル刺繍針です。何の工夫もありません。引き出しの隅に転がっていたシャープペンシルの芯を抜き、刺繍針を代わりに差し込むだけです。

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2010年10月30日

セイヨウタンポポの染色体(染色体の観察その5)

 相変わらず染色体の観察がうまく行かず悪戦苦闘中です。今回は富山大学の岩坪先生の手順でやってみました。まず、5-10mm程度発芽した種子を午前8時からヒドロキシキノリンに25℃で1.5時間、冷蔵庫で5℃に4時間。酢酸1:エチルアルコール3で固定。1規定塩酸60℃で10分解離。

 この手順で作った2枚のうち1枚で分裂像がたくさん見られる標本ができました。
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2010年10月16日

セイヨウタンポポの染色体(染色体の観察その4)

 外来種のセイヨウタンポポTaraxacum officinale)で染色体の観察を試みました。前回のアカミタンポポT.laevigatum)同様、濡らしたキッチンペーパー上に種を撒いてから3日目で発芽しました。
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 発芽したものを夕方から翌朝まで15時間8-ヒドロキシキノリンに漬け込んで染色体を凝縮させて、酢酸アルコールで固定。水洗した後1規定塩酸で60℃10分間解離。水道水で10分間2回水洗してから酢酸オルセインで5分間染色して、押しつぶし法で観察しました。

 今回は7枚くらい標本を作ってみたのですが、染色体を確認できたのは1枚だけで、しかも染色体が中央に集まって重なりあっているため本数を数えることができませんでした。

 国内のセイヨウタンポポは3倍体(2n=24)と4倍体(2n=32)がありますが、今回の標本はおおよそ20本前後なので、3倍体と思われます。

 今回の反省点。
 発芽後すぐの根を使用すると、染まりが悪い。油滴のようなものがたくさんある。分裂期の細胞がほとんど見られない。

 発芽後、一日後の根の長さが1cm程度のものがよさそうです。
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2010年10月06日

アカミタンポポの染色体(染色体の観察その3)

 タンポポの染色体観察にトライし始めてから3ヶ月。暑い夏の間はさすがに外来種も咲いていません。涼しくなってようやく外来種タンポポの種子が手に入りやすくなりました。

 今回ようやく染色体が重ならずに散らばって観察しやすい標本が出来ました。
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アカミタンポポTaraxacum laevigatum)の染色体(1000倍油浸レンズで撮影した写真を拡大)
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2010年08月17日

緋紅蒲公英の発芽条件と染色体

 タンポポの染色体観察のトレーニングをしているのですが、なかなか最適な染色方法をつかめず、四苦八苦の状況です。

 気分転換にピンク色の花を咲かせる緋紅蒲公英(Taraxacum pseudoroseum)で染色体観察を試みました。

 まず、春にとっておいた種子を濡らしたペーパータオルの上に10個程度播いておいたところ、25°Cの条件で3日で発芽しました。在来種タンポポは夏の高温条件では発芽しませんから、このへんはアカミタンポポ(T.laevigatum)やセイヨウタンポポ(T.officinale)などの外来種と同じようです。

 ネットの資料では「春に種を播き、10-16°Cでひと月」と書いてあるサイトもあるのですが。

 この緋紅蒲公英の原産地は中央アジアの標高2500〜3300m高原地帯なのです。現地の気候はどうなんでしょうか?


 染色体の観察は、まずキノリン処理をしない状態で半日固定(醋酸3:アルコール1)したものを60°Cに加温した1N-HCL(1規定濃度塩酸)で解離して、醋酸オルセインで染色しました。
 
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(400倍)
 やはりキノリン処理で染色体を凝縮させないと、染色体が重なり合って本数を数えるのは困難でした。少なくとも2倍体の16本ではなさそうですが、、、

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 比較的、重なりが少なく見やすいものを拡大してみました。少なくとも20本以上はありそうにみえます。(1000倍視野で撮影したものを拡大)
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2010年07月02日

染色体の観察(その2)

 前回に引き続いて、外来種(アカミタンポポ)の染色体観察にトライしています。
今回は、アイスクリームカップにキッチンペーパーを敷き、たっぷりの水で濡らした上にアカミタンポポの種をバラ播きました。
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 さすがに外来種は生長が早く、6/29の夕方に種を播いて、7月2日の夕方にはもう根が出ていました。

 これを酢酸アルコール(酢酸1:エチルアルコール3)で3時間ほど固定したものを一旦水洗いしてから、60度に暖めた1規定濃度の塩酸に数分漬けて解離。もう一度水洗いしてから根の先端1mmをスライドグラスに載せて、酢酸オルセインで染色。カバーグラスをかけてからピンセットで押さえて細胞を散らしてから顕微鏡で観察しました。(400倍)
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 今回はわりと分裂期の細胞が多く見られました。
しかし、うまく染色体が散らばっているものがありません。ピンク色のイトミミズ様のものが染色体と思われます。(1000倍)
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 染色体らしきものは見えるのですが、重なってしまって、一つひとつの染色体を区別して数える事ができません。やはり、8-ヒドロキシキノリンで染色体を凝縮させた方が良いようです。次回はキノリン処理した細胞を使ってみます。



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2010年06月27日

染色体の観察実験

 タンポポの開花シーズンも終わったところで、長年の課題だったタンポポの染色体観察をはじめることにしました。今まで研究してきた在来種や外来種の染色体数を実際に自分の目で確かめてみたかったのです。

 まずは参考書の「タンポポの観察と実験」をもとに、必要な試薬を買い集めて外来種タンポポの染色体からトライしました。

 この時期でも種子を手に入れやすく、夏でも発芽する外来種タンポポ(3倍体:染色体数24本)の種子をガーゼを敷いたシャーレに並べ、乾かないように時々水を補給しながら野外へ放置。一週間くらいで緑色の双葉と根が出てきました。
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