タンポポの観察をしていて気づいた事。花期(花を咲かせている時期)は確かに特徴的な切れ込みのある葉なのですが、それ以外の時期、夏から秋にかけての時期のタンポポの葉は小松菜のような全縁だったり、切れ込みがあっても浅い状態です。
どうしてこういう違いがあるのかな?と考えているうち、
そもそもなんでタンポポの葉はギザギザなのか?
という疑問が出てきました。
タンポポの文献を調べてもそのあたりを説明した文章は見当たりません。そこでいろいろとネットで検索してみて「日本植物生理学会」の質問コーナーでその回答になりそうな文章を見つけました。
以下はその引用です(注:文中の「鋸歯」というのは、葉のギザギザのこと)
鋸歯を持つ意義としては、まず、葉面境界層を薄くすることがあげられます。 葉面境界層とは葉の周りの空気のよどみで、薄ければ薄いほど、ガス交換に有利です。鋸歯によって空気の渦ができると、空気のよどみがかき混ぜられることになり、平均境界層は薄くなります。これにともない、光合成速度は上昇しますが、蒸散速度も上昇することになります。短い期間に効率よく光合成生産を行うには、都合のよい性質でしょう。一方、鋸歯葉には、ちぎれやすくなるなど、力学的観点からは問題もあります。これらを勘案すると、短期間で光合成生産を行う落葉樹の葉は鋸歯を持つのが有利といえるかもしれません。 切れ込みが深くなると鋸歯ではなく裂片とよびます。境界層の厚さは葉のサイズに依存し、葉のサイズが大きいほど厚くなります。同じ面積の葉に裂片があるのとないのとでは、裂片を作る方がはるかに境界層を薄くすることができます。 また、全縁の葉は大きな本影(太陽は点光源ではないので、影にも本影と半影がある)を作りやすく、下の葉が本影を避けようとすると、その葉よりもずいぶん下に位置する必要があります。裂片や大きな鋸歯があると、下に本影が出来にくくなりますので、それほど下に位置する必要がありません。このように、裂片や大きな鋸歯には、光環境を平均化するという利点もあります。 |
ギザギザの利点
1.葉の周りの空気をかき混ぜることで、光合成のために必要な二酸化炭素を取り込み酸素を吐き出すのに有利。
2.下の方の葉にも太陽光が当たりやすくなる。
いずれも光合成を効率的におこなうのに有利ということでしょうか。
その反面、葉がちぎれやすくなるという欠点もあるわけですが、春の短い期間だけ葉をのばして夏には根っこだけになるタンポポにとっては、それほど大きな問題ではないということでしょう。

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