2013年04月30日

ヤマザトタンポポの葉

 今年の春はヤマザトタンポポを集中的に観察、採集しました。調べれば調べるほど、ヤマザトタンポポの形態はバリエーションに富んでいます。中にはクシバタンポポと見間違うようなタイプも有り、クシバでもヤマザトでもないようなものにも出会います。
 
 ヤマザトタンポポの標準的な葉は淡緑色で切れ込みは中くらいです。
 新日本植物誌・顕花編:至文堂によると、「葉は斜上し、線状披針形、長さ30cm、幅4-5cm内外に達し、鈍頭、羽状中裂する。」とあります。
yama_senbon0704250025.jpg
(松江市西忌部町:2007年4月)
yama_daitou0704250038.jpg
(雲南市大東町:2007年4月)

 実際には典型的なものばかりではなく、例えばこのヤマザトは、花を見ればヤマザトと思えますが、葉の切れ込みはクシバタンポポと行っても良いぐらい切れ込みが深くなっています。
yama_inbeotani080414097.jpg
淡黄色の花弁はヤマザトに見えます。(松江市東忌部町大谷)
yama_inbeotani080414098.jpg
 総苞(ガクのような部分)はヤマザトにしては短か目で、角状突起もほとんど有りません。総苞外片の辺縁部は赤紫色では有りますが、硬い鱗状に見えます。クシバタンポポのこぶ状の総苞外片ともちょっと違います。


 また同じ株の中でも全く切れ込みのない葉(全縁)と中央の葉脈近くまで切れ込んでいる葉(羽状深裂)が混在したりして、混乱は深まるばかりです。
yama_hiyosi0704110022.jpg
posted by しまねこ at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究ノート
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/66047287
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック