いままでのタンポポ調査で、シロバナタンポポの空白地帯になっていることと、広島県側のキビシロタンポポの分布域と重なっているので、白花種タンポポを重点的に探す予定でした。
結局白花種は全く発見できず、吉田町でヤマザトタンポポとクシバタンポポ奥出雲町小馬木でクシバタンポポを確認しただけでした。
吉田町の吉田公園では、同じ場所にクシバタンポポ、ヤマザトタンポポ、外来種タンポポが混生していました。


こちらがクシバタンポポ(Taraxacum pectinatum)。総苞の大きさは15mmぐらい。外片に角状突起が無く、先端が瘤状にふくらんでいるため、総苞の下半分がこんもりした感じに見えます。外片は内片の1/2より短く、卵型です。全体の印象はシナノタンポポやエゾタンポポに似ています。

すぐ隣に咲いていたヤマザトタンポポ(T.arakii)。総苞の大きさはこちらも15mmぐらい。外片と内片に角状突起が有り、外片は細長く内片の1/2より長く披芯型です。
葉の形も違います。

クシバタンポポはその名前の由来の通り、中心の葉脈まで櫛の葉状に深く切れ込みます。

ヤマザトタンポポの切れ込みはクシバタンポポほど深くなりません(羽状中裂)。
ただしタンポポの葉の形は同じ種でも日なたや日陰で大きく違ってきますので、決定的な決め手とは言えません。基本は総苞の形です。
ついでに、クシバタンポポとヤマザトタンポポの種子の比較です。こちらは松江市内で採集したものです。上がヤマザトタンポポ、下がクシバタンポポ。

この日の調査コースは松江道路吉田インターから吉田公園。県道県道38号線で奥出雲町上阿井へ、国道432で王貫峠を超え広島県高野町。高野町上湯川から県道112号で再び県境を越えて奥出雲町小馬木というルートでした。
吉田と小馬木以外では白花を含めた在来種は見つからず。道路沿いは外来種のみと言う結果でした。