(2010/11/14)

翌年の春には全く咲いていなかったので全滅したと半ばあきらめていたのですが、今日2株ほど復活して咲いていました。


小泉秀雄氏が1936年にシロバナタンポポの硫黄色花としてキバナシロタンポポと命名したそうです。学名の(T.albidum var sulfureum(H.Koiz))のsulfurは「硫黄」の意味です。
総苞の外片がやや反転するなど、外見の特徴はシロバナタンポポと同じです。またシロバナタンポポ集団の中に一株だけ咲いていることが多く、時には同じ株に黄花と白花が咲く、さらには、1つの頭花が黄色と白色に塗り分けられている花が出現することもあります。こうしたことから独立した種(変種)ではなく、シロバナタンポポの黄色変異とする考え方もあります。
シロバナタンポポの花弁が他のタンポポと違って白い理由は明らかではありませんが、1つの仮説として黄色色素を分解する酵素(CCD:カロチノイド分解酵素)の作用で白くなっているという考え方があります。
黄花のシロバナタンポポでは、この黄色色素を分解する酵素が何かの理由(欠損や阻害)で働かないのかもしれません。
この酵素作用の欠落が一時的なもので次世代に遺伝しないため、黄花のシロバナタンポポは部分的にしか現れないということになります。
しかし、この場所のように何株も固まって咲いているという場合も有り、高知などでも集団で咲いているのが見つかっています。こういうところでは黄色の変異が遺伝的に固定していると考えることもできます。
この問題はなかなか複雑です。
さらに別の場所にも1輪だけ咲いていました。こちらは単独です。

こちらのは黄色がはっきりとしていて、通常のキバナシロタンポポほど色が淡くありません。