2011年05月14日

カロチノイド分解酵素の証明実験その6(熱による失活)

 今までの実験は、シロバナタンポポなど白花種のタンポポが黄色色素を分解するカロチノイド分解酵素(CCD)を持っていることを証明するためでした。

 実験によって白花種のタンポポの花弁には黄色い色素を分解する作用をもつ「何か」があることがわかりました。それが本当に酵素なのかどうかを調べてみようというのが今回の実験6です。

 酵素はタンパク質なので、加熱により変成して酵素作用を失うことが知られています。そこでシロバナタンポポの抽出液を加熱処理したものと、しないもので黄色色素を分解する能力が違うのかを調べます。

 黄色種のアカミタンポポの花弁から100%アルコールで黄色色素を抽出し、濾紙に染み込ませます。それを同じ大きさの短冊形に切り、シロバナタンポポの花弁を押しつぶし精製水で抽出した液、さらにそれを加熱処理した液、対照の精製水の3種類の試験管に入れて2昼夜置きました。その後取り出して精製水で洗いました。

caro6_110051604ji.jpg

左端はシロバナタンポポ抽出液を冷蔵庫で2週間保存したもの、
2番目が新鮮な抽出液、
3番目が新鮮な抽出液を60℃で30分間加熱したもの、
右端が対照の精製水です。

 新鮮な抽出液では、黄色が薄くなっています。しかし加温処理したものは対照の精製水と同じです。このことからタンポポの黄色色素を分解する成分が加熱によってその働きを失ったことが推測できます。

 また、冷蔵庫に保存して2週間おいたものも色素を分解する力が失われているようです。
posted by しまねこ at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 実験・観察ノート
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