
左が巨大タンポポ、右が普通の外来種タンポポです。
このタンポポがなぜ大きいのかについて考えてみました。
花を構成する一枚一枚の花弁(小花)の数が多いのか、それとも小花自体が大きいのかをまず調べました。

上が巨大タンポポの小花、下が普通のタンポポです。 小花の長さは、巨大タンポポが27mm、普通のタンポポが17mmぐらいで、巨大タンポポは小花そのものが大きいということがわかります。また、小花の数自体も画像でざっと数えたところでは、巨大タンポポが240個ぐらい、右の普通のものが140個ぐらいでした。セイヨウタンポポの小花数は平均200個(「タンポポの観察と実験」山田卓三著)とされています。
このことから巨大タンポポは小花そのものが大きく、小花の数も多めなので頭花全体が巨大になっているということがわかります。では、どうして小花自身が大きいのでしょうか?この巨大タンポポと良く似た特徴を持ったものが神戸市の六甲アイランドで発見され、ロクアイタンポポと仮称されているのですがこのタンポポは4倍体だということがわかっています。
2012年にロクアイタンポポの遺伝子配列の解析が行われ、ロクアイタンポポは4倍体雑種でなく、3倍体雑種であることがわかりました。(2013/3/28追記)
古い文献ですが、昭和17年の「遺伝学雑誌」18巻第5号に岡部作一氏が発表した「タンポポ属の人爲的倍数體」という論文では、
2倍体のカントウタンポポ、トウカイタンポポ、カンサイタンポポ、セイタカタンポポの切断した根にコルヒチン(colchicine)を作用させたカルス(callus)を培養して、人為的に倍数体を作り出したそうですが、そうしてできた倍数体は「葉は大きく厚く、表皮細胞や花粉細胞も大きく、花梗太く、頭状花も豊大」とのことです。
そこで、細胞の大きさも違うのかどうかを顕微鏡で比べてみましたが、花弁の場所によって細胞の大きさはまちまちで、巨大タンポポと普通のタンポポの小花の細胞の大きさの違いははっきりとはわかりませんでした。
近くに咲いていた5倍体のシロバナタンポポとこの巨大タンポポの小花の大きさを比べてみました。

5倍体であるシロバナタンポポとほぼ同じ大きさです。シロバナタンポポの頭花も直径が4-5cmに達します。
染色体数が花の大きさに影響を与えていると考えられそうです。
タグ:ロクアイタンポポ
ここ最近、あちこちで巨大たんぽぽの話題が出ておりますが、私の職場の裏では、たんぽぽが伸び続け、現在140cmを超えるほどになっております。花や綿は普通なのですが、とにかく伸び続けています^^
神戸市の北の郊外です。
1メートルを超すタンポポはまだ見たことがありません。もし写真が有れば、送っていただけませんか?
私も最近花径7cmのタンポポを見てから気になって情報を漁っているのですがほとんど見当たらない状態です。
タンポポ調査2015ではオオクシバタンポポ(仮称)も大輪らしいですが、その後これら大輪タンポポの新たな情報があればお教えいただけないでしょうか。
(ロクアイタンポポの遺伝子解析で判明したことは3倍体ということだけでしょうか。)