あれからネットの資料を色々当たってみると、カロチノイドにはα-カロチン、β-カロチン、リコペンなど色々な種類が有りますが、基本的に水に溶けにくい(wikipediaより)のだそうです。
ということは、昨日タンポポの花を水に漬けて抽出した赤茶色の色素はカロチノイドではなく、他の水溶性の色素のようです。やはりアルコールやエーテルのような有機溶媒で抽出しなければなりません。
今日は方針を変えて、タンポポの花弁をアルコール漬けにして色素を取り出してみることにしました。
よく水洗いしたセイヨウタンポポの黄色い花弁だけを取り出し、100%エチルアルコールに漬けてみました。

アルコールで黄色い色素が抽出されました。今度こそカロチノイドかな?
アルコールで抽出できたのは良いですが、アルコール溶液の中ではカロチノイド分解酵素は働けません。酵素はタンパク質なので、アルコールの中では変成してしまって、酵素作用が失われると思われます。
そこでひと工夫しました。抽出した色素液をろ紙にたらしてアルコールを飛ばします。

黄色く染まった部分を短冊形に切って試験管に入れます。片方にはシロバナタンポポの花弁をすりつぶした液、もう一方には対照として同量の蒸留水を入れて室温で半日置きました。
シロバナタンポポの花弁にカロチノイド分解酵素があれば、シロバナタンポポの汁を入れた方は黄色が分解されて色が薄くなると思ったのですが、、

左がシロバナタンポポの絞り汁、右が蒸留水です。シロバナタンポポの絞り汁を加えた方は液がオレンジ色になっています。短冊も少しオレンジがかった色になりました。蒸留水の方は短冊も水も色は変わりません。
(2011/4/26)
昨日の短冊をもう一晩漬け込んで、さらに長時間反応させてみました。

左がシロバナタンポポ花弁の絞り汁に漬けたもの、右が蒸留水です。シロバナタンポポの方が少しオレンジ色になっています。シロバナタンポポの汁がオレンジ色に染まったことから、もしかして色素が水溶性に変化しているのかも?と思って短冊を水洗いしてみました。

シロバナタンポポの方はすこし色が抜けて薄くなっているようです。
◯ここまでのまとめ
実験の目的
シロバナタンポポの花弁には黄色い色素を分解する成分が有るかどうかを調べる
用意するもの
黄色いタンポポの花(今回はセイヨウタンポポ)
シロバナタンポポの花(新鮮なもの)
エチルアルコール(今回は100%を使用)
ろ紙
スポイト
試験管
実験でわかったこと
タンポポの黄色い花弁からアルコールで黄色い色素が抽出された
シロバナタンポポの絞り汁を黄色い色素に加えると、オレンジ色に変色した。
オレンジ色の色素は水に溶けやすかった。
考察
もしかすると、シロバナタンポポ花弁に含まれている(筈の)カロチノイド分解酵素はカロチノイドを分解して水溶性の色素に変えているのかもしれません。水溶性になった色素は洗い流されてしまう、そして花弁は白くなる?
花の色素には水溶性のものもありますので、ちょっと強引な理屈かも知れません。更に検討と実験をすすめます。
次回はシロバナタンポポ以外のタンポポにもカロチノイド分解酵素はあるかを実験します。
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