
(松江市上乃木町総合運動公園テニスコート)

(頭花の直径は5cmを超えています。)
タンポポ調査西日本2010調査報告書によればロクアイタンポポ(仮称)として
「兵庫県神戸市の人工島六甲アイランドにある市立六甲アイランド高校内で見つかったタンポポで、時に直径6cmを超えるきわめて大きい頭花をつける。総苞外片は幅が広く、先端にはわずかに角状突起がある。(中略)今回のタンポポ調査では種名にあげていないが、兵庫の他で、滋賀、奈良、岡山、広島、福岡などでそれらしい頭花が見つかっている。」とされています。
また六甲アイランド高校の生徒が研究した結果によると、このタンポポは4倍体で、核DNAのITS領域の解析によって、セイヨウタンポポとカンサイタンポポの雑種ではないかと推定しています。
リンク先の文書によると、核DNAのITS領域という部分を制限酵素という遺伝子を切り取るハサミのようなもので切断すると、タンポポの種類によって色々な長さのDNA断片ができるそうです。その断片の長さを比較してみると、ロクアイタンポポには、セイヨウタンポポと同じ長さの断片があり、さらにカンサイタンポポと同じ長さの断片があったということです。さらにキビシロタンポポ、シロバナタンポポと同じ長さの断片があったということで、これについては他の遺伝子についても調べる必要があるとしています。

タンポポ調査検索表によると
1.花は黄色
2.総苞外片は圧着からやや開出
3.花粉の大きさがバラバラ
4.総苞は15-20mm程度と大きい。
5.総苞外片は総苞の1/2長以下で卵形〜広披針形
6.総苞外片は広披針形、隆起はほとんどなく、わずかに角状突起がある。開花後に大きく開出、時に反曲することがある

今回見つけたものは、総苞外片が広披針形というよりも少し細長い形で典型的なロクアイタンポポの形とは言えませんが、良く似た特徴を持っています。
今回調べた大型タンポポの集団の中に1株だけ花弁の無い奇形タンポポがありました。

最初は花が終わって花弁が枯れているのかと思いましたが、全部の花が同じ形です。


小花を取り出して拡大してみると、舌状花(花弁)が全く有りません。中央のメシベの周囲にあるちぢれた形のものが舌状花かとおもいましたが、オシベかも知れません。
江戸中期にはタンポポの園芸がブームとなり、多くの園芸品種が作られたそうです(「タンポポの観察実験」山田卓三著)、その中にはこのような変わり種もあったのかもしれません。