
(デジタルカメラに近紫外線透過、可視光カットフィルタを取り付けて撮影)

(可視光による写真)
左がシロバナタンポポ、右がアカミタンポポです。近紫外線領域ではシロバナの方がはっきりと見えているようです。 昆虫は、人間の目よりも波長の短い紫外部も見えているということなので、今回は紫外線に近い波長420nmを中心として、380〜460nmの光のみを透過するFUJIFILM 特定波長透過フィルター BPフィルター BPN 42

晴天の条件下で絞りは一杯に絞り(f36)、開放シャッターで30秒間露光して上記のような写真が撮れました。
この写真からするとシロバナタンポポの方が昆虫の眼には目立っているはずです。しかし春に咲く花に黄色が多いのは、春先に蜜を求めて飛び回る昆虫が黄色を好むからだ、と何かの本で読みました。だとするとシロバナタンポポは不利ということになります。
確かにカンサイタンポポなどの2倍体在来種は有性生殖をするために、花粉を運んでくれる昆虫がやってきてくれないと困りますが、シロバナタンポポは花粉の授粉なしに種子を作れるので、昆虫に来てもらう必要がないのです。
授粉の必要が無いシロバナタンポポやクシバタンポポなど高次倍数体の在来種も律儀に朝の10時頃から4時頃に開花しています。これは花粉を運ぶ昆虫の行動時間に合わせているのです。
セイヨウタンポポなどの外来種など、もっと長い時間開花してますし、昆虫の飛ばない雨の日も開花しています。タンポポにとって必要のない、このような開花習性はたんなる惰性でしょうか?

とは言え、シロバナタンポポにもちゃんと昆虫は来てくれています。隣には黄色いタンポポがありますが、平等に訪れています。

ピンク色のタンポポ(緋紅蒲公英)にもやって来ました。色は関係ないのかも?