新潟大学の森田教授の研究によると、ケイリンシロタンポポは外総苞片が長くて総苞の3分の2から、4分の3に達し、角状突起も大型で3-4mmを超えるという点でシロバナタンポポと区別できるそうです。
シロバナタンポポは秋にも開花するので、10月末から松江市内のシロバナタンポポ群生地を廻って頭花を採集して外総苞片の長さや角状突起の大きさを測ったり、染色体数を調べるために根を採集しています。今回は松江市大草町の出雲国庁遺跡で総苞外片の大きなタイプのシロバナを見つけました。

計測してみると、総苞全体の長さが20.1mmに対して、総苞外片が14.9mmで、およそ4分の3に達しています。角状突起も3.7mmと、比較的大型でした。この数値からするとケイリンシロタンポポに匹敵するのですが、この周囲に咲いているシロバナタンポポには、外総苞片の長さや角状突起も小さいものがあるので、単なる個体変異の範囲内かもしれません。
シロバナタンポポは染色体数40本の5倍体、ケイリンシロタンポポは染色体数32本の4倍体という違いがありますので、最終的には染色体数を調べないとわかりません。そこで、このタンポポの根を掘り起こして鉢に植え替えて新しく発根した根の染色体を観察することにしました。