暖かさの指数(あたたかさのしすう)および寒さの指数(さむさのしすう)とは、植生の変化と気温との相関関係を表すための指標である。あわせて温量指数とも呼ばれる。生態学者の吉良竜夫が提唱した。 概要 一般的に、植物の生育には月平均気温で摂氏5度以上が必要とされる。このことから、温帯における植生の分布には、それより高温になる期間とその温度の高さがどの程度になるかが大きく影響すると考えられるので、それを定量化することを試みたものである。 具体的には、ある地域の各月の平均気温を取り、月平均気温5度を基準として、各月の平均気温の5度との差を累積する。平均気温が5度より高い月の累積が暖かさの指数であり、5度より低い月の累積が寒さの指数である(5度以上と5度以下を相殺するのではなく、別々に累積する)。 |
(Wikipediaより引用) タンポポに関して記述される温量指数は暖かさの指数が用いられているようです。wikipediaによると日本各地の温量指数(暖かさの指数)は以下の通りです。
那覇 212.4
東京 131.3
長野 95.6
青森 80.0
根室 46.1
エゾタンポポは温量指数100以北に分布し、その南限近くにエゾタンポポの2倍体が出現する。(森田1976)、反対にシロバナタンポポは指数100度の線より以南に分布している。日本産2倍体タンポポは、倍数体の分布とは排反的に、大体指数100と120ないし140度で囲まれた帯状の地域に分布している。(中略)このような観点から山陰地方のタンポポを考えると、指数100度以下の狭い地域に分布しており、周囲は100から120度までの2倍体の生活域である。(山口聰「日本産倍数性タンポポの問題」種生物学研究1978)
シロバナタンポポについては温量指数100以上(以南)の地域に分布しているとされていたのですが、最近では長野や関東方面に分布を拡大していて、「日本におけるシロバナタンポポの分布について」(大東文化大学紀要, 自然科学 (27), p167-177, 1989)には「シロバナタンポポは100度以南のものであるとされていたが、85度線地域にも分布する」と書かれています。
気象台の資料を元に島根県東部周辺の温量指数を計算してみました。
松江市 116.4
横田町 93.6
掛合 100.0
赤名 89.4
川本 103.8
瑞穂 92.1
鳥取県茶屋 84.9
指数からすると、どの地点でもほぼ85以上でシロバナタンポポの生育範囲ですが、タンポポ調査西日本の2009年予備調査でシロバナタンポポが確認されているのは100以上だった松江市と川本だけです。
北海道の松前にもシロバナタンポポが咲いていると聞き、写真を送っていただいたのですが、確かにシロバナタンポポのようでした。松前の平均気温のデータから温量指数を概算してみると、77ぐらいになります。結構シロバナタンポポは寒さにも強いのかもしれません。

(雪の中に咲くシロバナタンポポ:松江市西津田町 2008/1/5撮影)
2007年の冬は暖冬で冬至の頃でも最高気温が15度くらいとなったためか、12月下旬に開花しました。その直後に降った初雪に埋もれたシロバナタンポポです。