
森田教授自身も、「東アジアにおけるタンポポ属(Taraxacam)の倍数性種分化の分子系統学的解析」(KAKEN1997年度 研究成果報告書概要)で、で12酵素14遺伝子座の酵素多型を用いた分析から日本の2倍体タンポポの分子系統樹を作成し、オキタンポポが他の国内2倍体在来種と早期に分岐しているとしています。

芝池博幸氏らはオキタンポポの葉緑体DNA上のtrn T-F領域の特徴的な配列が国内のほかの2倍体タンポポと異なることを報告しています。
「Hybridization between European and Asian dandelions(Taraxacum sextion Ruderalia and section Mongolica) 2. Natural hybrids in Japan detected by chloroplast DNA marker」Journal of Plant Research 115,1121(2002)
また富山大学の岩坪美兼准教授は「日本におけるTaraxacum(キク科)の在来低地2倍体種の染色体研究」Cytologia、Vol72(2007)で、セイタカタンポポ、エゾタンポポ、トウカイタンポポ、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、オキタンポポの染色体を比較した結果、オキタンポポと他の5種とは核型が違っていると発表しています。
愛知教育大の芹沢俊介氏は、分類学的な研究と染色体の特徴から、オキタンポポは独立した種であるとの見解を発表しています。
「オキタンポポは独立種である」植物地理・分類研究 巻:55 号:1 頁:29-32 (2007)