2007年04月11日

在来種タンポポの個体変異について

 島根県周辺に分布する黄色在来種、ケンサキタンポポTaraxacum ceratolepis)、ヤマザトタンポポT.arakii)、クシバタンポポT.pectinaum)の3種は、総苞の形で分類されているものの、それぞれの個体変異が大きくて、判断に迷う事がしばしばです。

 今回は松江市八雲村西岩坂桑並川土手のクシバ ヤマザトタンポポの小群落を観察して、同じ集団の中での総苞の形や葉の変異をじっくり観察しました。
yakumo_kusi_leaf070411.jpg

 葉の形は倒披針形、羽状浅裂から全裂、櫛葉状まで同一個体でも様々な形です。決して典型的な櫛葉形(羽状全裂)ばかりではありません。


 肝心の総苞の形にしても同じ群落内でも個体差があって、総苞の角状突起の大きさにバリエーションがあります。(画像をクリックすると拡大します)
yakumo_kusi_f070411d.jpgyakumo_kusi_f070411c.jpgyakumo_kusi_f070411b.jpgyakumo_kusi_f070411a.jpg

2枚目の画像は伯太町のケンサキタンポポと雰囲気は良く似ています。違うのは外総苞片の形と長さだけです。
kusiba_seed070411.jpg
yakumo_kusi_pap070411.jpg

綿毛と痩果のアップ。クシバ(ヤマザト)タンポポの痩果はFOJ(Flora of Japan)データベースの森田氏の記述によれば、
「痩果は黄褐色または褐色、紡錘形で長さ4-4.5mm、幅1.3-1.6mm。上半分に棘状突起。柄は長さ7-10mm、冠毛は白色、長さ7.5-8mm」
yakumo_kusi_pol070411.jpg
4倍体のため、正常に減数分裂できず、花粉の大きさはバラバラとなります。
posted by しまねこ at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ヤマザトタンポポ
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