(1)在来種が夏季に葉を枯らし休眠することにより、他の植物との競争をさけるのに対し、セイヨウタンポポは夏季も葉を展開し生産をつづける。
(2)花期は主として春であるが、夏から秋にかけても開花し種子生産をつづける。
(3)同じ大きさの株を比較すると、セイヨウタンポポは頭花数が多く、種子数も2倍以上である(1株の最多種子数は在来種の約7000個に対し、セイヨウタンポポでは15000個
(4)セイヨウタンポポの痩果は軽く、風散布力は在来種よりはるかに大きい。
(5)在来種の種子は夏の高温により発芽が抑制され、おもに10月ごろ発芽するが、セイヨウタンポポは広い温度域で発芽するので、夏にも実生がみられる(Ogawa 1978)
(6)セイヨウタンポポは種子繁殖への切りかえが早く、ロゼットの直径が2cm程度の小さな株でも花をつける。そのため、発芽1年以内に繁殖に参加できる。繁殖にいたるまで2〜3年かかる在来種とは対照的である。
雑草の自然史、北海道大学図書刊行会。第6章世界に分布を広げた盗賊種・森田竜義・新潟大学教育学部 (p192-193)より引用