2010年04月20日

黄花と白花が一つの株に

 大庭斎場付近のタンポポ調査をしていたら、一つの株に黄花と白花を咲かせているシロバナタンポポTaraxacum albidum)がありました。
genpei10042011.jpg
 今までにもこんな感じで白花と黄花が咲いているのを見つけたことが何度か有りましたが、白花と黄花の株が非常に近くに隣り合っていただけでした。
genpei10042020.jpg

 今回の株を掘り返してみると、ご覧のとおり一つの根から白花と黄花の花茎が出ています。

 梅の花などで、一つの木に紅い花と白い花が咲くものを「源平咲き」と呼ぶそうですが、白花と黄花ではどう呼ぶのでしょうか。源平咲きができる理由について、日本植物生理学会のWebではこのように解説されていました。

勝木 俊雄(森林総合研究所)

 源平咲きや花弁の縞模様などは、組織/器官の形成過程のある時期に一部細胞の色素合成に変化がおき、変化のおきた細胞からその後形成される組織/器官では変化した色素が合成されるためにおきるものです。色素合成系が抑制されれば白色となります。その仕組みは複雑ですが「動く遺伝子」が色素合成遺伝子の近くに飛び込んでその遺伝子の発現を抑制したり(例えば赤色から白色になる)、あるいは飛び出して今まで抑えていた色素合成遺伝子を活性化したり(白色から赤色になる)する場合があります。まだ分からない仕組みのあり得ますのでこれからの研究課題ではあります。
植物生理学会Webみんなの広場質問コーナーより一部引用


 キクの白花品種は黄色のカロチノイド色素を分解する酵素を持っているため、白くなるのだそうです。(詳細は、当ブログの「シロバナタンポポが白いのは」をご参照ください)この花の場合は、本来持っているカロチノイド分解酵素が抑制されているのかもしれません。
genpei10042012.jpggenpei10042013.jpg
 白花と黄花のアップ。どちらも総苞外片の角状突起が大きく、やや反転するシロバナタンポポの特徴を具えています。

 このタンポポの黄花と白花から出来た種を播くとどうなるのでしょう?黄花の種からは黄花、白花の種からは白い花が咲くのでしょうか。
genpei10042112.jpg

 種をとって確認しようと思ったのですが、移植に失敗したようで、黄花、白花ともに萎れてしまいました。

posted by しまねこ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | シロバナタンポポ
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