ある研究者の経験によると、カンサイタンポポで25年というのがあるそうです。もうこうなると草(草本)ではなくて、木(木本)ではなかろうか。ただ在来種は冬になると地上部が枯れてしまうので、毎年同じ位置に咲いていても長生きしているという実感がないのかもしれません。
ここまで考察したところで、もしかしてタンポポには年輪があるのでは?と気づきました。もちろん、地上部の花茎は中空ストロー状で毎年枯れているので年輪はできませんね。
しかし、タンポポの根はかなり長く太く地下に伸びて生き続けています。温かいうちは成長が早く、寒い時期にはあまり成長しないので、タンポポの根は木と同様に年輪があるのではないかと考えました。

タンポポの観察辞典(偕成社)という本にタンポポの根の顕微鏡写真が載っていました。
同心円状の構造があって年輪のようでもあります。
試しにそこら辺に咲いていた外来種タンポポの根を掘り出し、断面を見てみました。木の断面と違って中心部が偏っています、どちらかというと魚のウロコのようですが同心円状の筋が見えます。

染色液の酪酸オルセインをちょっと垂らして光を横から当てて凹凸を強調してみました。

本当に根っこに年輪があるような気がしてきました。
タンポポ研究者の方にこの件について相談したところ、「自分も昔この構造について研究したことがある。よく見ると同心円状ではなくて、渦巻き状になっている。成長して葉の枚数が増えていくにつれてその葉が形成される根元の部分に線のようなものが残るのではないかと考えました。」と教えていただきました。
年輪ではなかった
タケノコの横断面を見てみました、まさに今回のタンポポ根の横断面と似ています。

タケノコの縦断面

この巻き数と年齢の相関をデータにすればタンポポの年齢を推定する助けにはなるかもしれません。