2020年04月29日

タンポポの寿命

 タンポポは草(草本)なので、春に花を咲かせて夏には枯れてしまうイメージがありますが、実は意外に長生きです。花が終わった後、綿毛のタネ(痩果)を飛ばして、夏には地上部の葉を枯らしてしまいますが、しっかり根は残っています。そして翌年の春に葉を展開してまた花を咲かせます。

 では一株のタンポポは何年くらい生きるのでしょうか?

DSC_0103.JPG
 ブログ主が継続的に松江市内の公園に咲いているカンサイタンポポTraxacum japonicum)を観察した結果から、
10年から15年以上は生きるようです。

 その根拠として、この公園から採集した1株を自宅の庭でずっと観察していました。
2005年に採集した株は翌年(2006年)にしっかりと根付いて花を咲かせました。
10030433.jpg
採集翌年(2006年)


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(2013年5月)

最後に花を咲かせたのが2015年の4月
IMG_2915.jpg
(2015/4/15)

少なくともこの株は10年間生きていました。

そしてさらに長寿の株がありました。
2005年の4月に公園の木の根元に単独で咲いていたこの株


今年2020年にもこの株は生存していました。
DSC_0084.JPG
さすがに花は無理かなと思ったのですが、なんと小さな蕾が!
DSC_0083.JPG

まとめ
松江市内でカンサイタンポポの2個体を継続的に観察した。
2005年4月に開花していた個体のうち、1株は2015年まで生存した、
もう1株は2020年4月現在も生存している。

というわけで、日本の在来種カンサイタンポポは15年以上は生きるということがわかりました。

追記

2022年にもこの株は花が咲きました。
IMG_7273.jpeg
だいぶ老化して弱々しい感じですが、まだまだ頑張ってほしい。
IMG_7274.jpeg

これで観察開始から17年経過しています。関西在住の研究者の方の話では25年以上生存したものがあるということで、まだまだいけそうです。


posted by しまねこ at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究ノート
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