2018年10月07日

宍道湖ウサギとタンポポ、タマバエ

 家人と島根県立美術館へ。鑑賞後に、美術館の建っている宍道湖岸の散策をしていると、
ウサギIMG_3981.jpg
ブロンズ製のウサギの前に生えているタンポポの葉に妙な斑点があるのを見つけました。
宍道湖ウサギIMG_3979.jpg
もしかしたら、以前にタンポポメーリングリストに調査依頼が来ていた、タンポポに寄生するタマバエの虫こぶ、タンポポハフクレフシ(たんぽぽ葉膨れ節?)かも?
宍道湖ウサギIMG_3980.jpg
ネットで検索した画像とは微妙に違う気もするし、どうかなあ。
(虫注意!)
https://www.google.com/search?q=%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%9D%E3%83%95%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%B7&ie=utf-8&oe=utf-8&client=firefox-b-ab

https://blog.goo.ne.jp/koizumi-masato/e/f3c4eb8f18d934a28c6943a4e8619bf0

気になったので、次の週に再訪し葉を確認しました。裏返してみても虫体は確認できず、片方は完全に穴が空いていたので、単に葉の傷だったようです。(2018/10/13追記)



どうやら、虫こぶ(虫えい)を研究している湯川先生という方が、日本の在来種タンポポに寄生しているタマバエが外来種タンポポに寄生しているタマバエと同一種かどうかを調べているようです。そのために、この虫こぶ、タンポポハフクレフシの全国的な分布状況や、虫こぶに入っているタマバエの幼虫を集めて遺伝子解析をするとのことです。
(虫えい同好会掲示板より)
2018/06/10(Sun) 18:36 No.3179
タンポポハフクレフシ 再度のお願い 投稿者:湯川淳一
掲示板をご覧の皆様へ

昨年に引き続き、写真のようなタンポポハフクレフシ D-0840a を捜しています。
この虫えいは、Cystiphora 属のタマバエ(多分、 Cystiphora taraxaci) によって形成されたもので、外来種だと思います。

昨年、カンサイタンポポやセイヨウタンポポ、ヨーロッパのセイヨウタンポポから幼虫を得て、 DNA解析をしました所、あまりにも分化の程度が進んでおり、さらに多くの地域の標本を解析する必要性が出てきました。

セイヨウタンポポでも、日本のタンポポでも、虫えいが見つかりましたら、ぜひ、ご一報の程、お願い申し上げます。掲示板にご投稿いただけましたら、管理人の南さんから拙宅の住所を知らせて頂きます。虫えいのついた葉をティッシュに挟み、そのまま、封筒に入れて、受取人払いでお送り頂けますと有り難いと存じます。
よろしくお願い申し上げます。

南さん、よろしくお願い致します。



寄主植物:セイヨウタンポポ
撮影年月日:1982年月日/札幌市北海道大学構内



 個人的に気になっているのはこの虫こぶの周囲が赤紫色に着色していることです。文献をネットで検索してみると、この色素はタンポポでは毎度お馴染みのアントシアニンによるもので、虫こぶの周囲にはアントシアニンの合成を促進する物質が増えていることがわかっているようです。
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=4&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwja-YmutPTdAhVHzLwKHZAGAnIQFjADegQIBRAC&url=http%3A%2F%2Fkoara.lib.keio.ac.jp%2Fxoonips%2Fmodules%2Fxoonips%2Fdownload.php%2FKAKEN_22603009seika.pdf%3Ffile_id%3D75367&usg=AOvVaw38FgjPbGa00vEI0ShB2Jx2

 おそらく、寄生しているタマバエの幼虫がその物質を分泌しているのでは無いか?しかし、赤紫色にする意味はなんだろう?調べれば調べるほど謎は増えていきます。
posted by しまねこ at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究ノート
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