2017年01月13日

島根県松江地域におけるタンポポ属植物の比較調査

島根大学生物資源科学部研究報告 第21号に掲載された論文の要旨メモ

 島根県松江地域に分布するタンポポ属8種と一つの亜種を調査した。2倍体種のオキタンポポを除いた全ての種は無性生殖である。比較調査はこれらの花の形態的特徴によって行った。染色体数が調査され、2から5倍体であった。
 さらにこれらの無性生殖種の遺伝的変異は電気泳動法で調べられた。

 ヤマザトタンポポとケンサキタンポポは中間型のものもあり、分類が困難であったが、総苞外片の角状突起が2mmのものをケンサキ、2mm以下をヤマザトとした。2mmに満たないものの、それに近いものを中間型とした。
ヤマザトのうち、秋鹿町で採集された1個体が2倍体であった、大庭町ケンサキの1個体が3倍体、大根島中間型の1個体が5倍体で、それ以外は全て4倍体であった。

島根県松江地域におけるタンポポ属(Taraxacum Wiggers)植物の比較調査 
林 蘇娟 Bull. Fac. Life Env. Sci. Shimane Univ., 21:3 - 7, September 30, 2016



posted by しまねこ at 21:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 研究ノート
この記事へのコメント
はじめまして
 京都市南部にシロバナタンポポの群落があり、昨年暮れに見たところ、同年春に見たときより角状突起が著しく大きかった(複数確認)のですが、このようなことは普通なのでしょうか。
 ご紹介されている論文で、角状突起の大きさで種類分けがなされていたので一寸気になりお尋ねした次第です。
 該当の写真は↓に掲載しています。
http://homepage1.canvas.ne.jp/e_kamasai/index2/kiku/tanpopo/tanpopo2.html
Posted by 高原 秀明 at 2017年02月12日 09:06
 高原様、ご訪問ありがとうございます。タンポポの分類で角状突起の大きさはしばしば重要なポイントです。ただ、同じ種類でも時期や環境によって大きさに差があるのも事実で、悩ましいところです。

 さて、写真を拝見しました。確かにシロバナタンポポとしては大きな角状突起だと思いました。もしかすると、ケイリンタンポポという種類の可能性があります。しかし、これも最終的な鑑別のためには染色体数などを調べる必要があります。詳しくは「ケイリンタンポポ」というキーワードで検索してみてください。
Posted by しまねこ at 2017年02月13日 13:17
早速にご回答いただきありがとうございます。
難しいものですね。この春にも観察してみようと思います。
Posted by 高原秀明 at 2017年02月13日 17:30
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/178390209
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック