オダサムタンポポは、小田切辰太郎が樺太島豊栄郡栄浜村小田寒で採集 (1926年 8 月 8日)した植物に小泉源ーが 1933年に標本ラベルに書いた名前に従って北村が T.otagirianum Koidz.ex Kitam.と発表した種である。種形用語は採集者 Otagiri Shintaro への献名で、和名は採集地名をとった小田寒蒲公英の意である。(上記文献より引用)
オダサムタンポポはキク科のタンポポ属(Taraxacum Weber ex F.H.Wigg.) で 国内では羊蹄山 (1898m) と檎山支庁の大平山(1191m)にのみ自生している
(伊藤浩司・梅津俊. 1981.北海道の高山植物と山草. p.16. 誠文堂新光社)
森田の研究によると羊蹄山から得られた標本は倍数体であった。大平山の標本は2倍体であり、総苞の形も羊蹄山産のものは異なり、葉形以外はむしろユウバリタンポポに近い。
(森田竜義. 1976. 日本産タンポポ属の2倍体と倍数体の分布.国立科学博物館研究報色B類(植物学) 2(1):23-38.)
松井氏は北海道大学などに所蔵する羊蹄山産と大平山産の標本を比較検討した結果、羊蹄山のタンポポは総苞片の毛は少なく、辺縁部にも毛はわずかであるが、エゾタンポポに近い。従って、羊蹄山産のタンポポはオダサムタンポポではなくエゾタンポポである。と結論付けている。